「ショートステイ」と「デイサービス」は、どちらも介護保険で利用できる代表的な在宅支援サービスです。
しかし、目的や利用方法には明確な違いがあり、どちらを使えばいいのか迷う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ショートステイとデイサービスの違い・費用・上手な使い分け方を、介護現場の視点からわかりやすく解説します。
最後にはよくある質問(Q&A)もまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
ショートステイとデイサービスの基本を理解しよう
ショートステイとは?(短期入所生活介護)
ショートステイとは、介護が必要な高齢者が数日〜数週間ほど施設に宿泊して介護を受けるサービスです。
介護者の休養や冠婚葬祭、旅行、体調不良の際など、一時的に介護が難しいときに利用されます。
施設では食事・入浴・排泄介助・夜間の見守りなど、24時間体制でサポートが行われます。
また、在宅復帰を目指す方のリハビリや体力回復を目的として利用されるケースもあります。
デイサービスとは?(通所介護)
デイサービスは、要介護者や要支援者が日帰りで施設に通い、介護やリハビリ、レクリエーションを受けるサービスです。
送迎付きで、食事や入浴も提供されるため、家族の介護負担を軽減できます。
また、利用者同士の交流や活動を通じて心身機能の維持・閉じこもり予防・認知症進行の抑制にも効果的です。
「自宅での生活を続けたい方」に特に人気があります。
ショートステイとデイサービスの違いを比較表でチェック!
| 項目 | ショートステイ | デイサービス |
|---|---|---|
| 利用形態 | 宿泊(1泊~数週間) | 日帰り |
| 利用目的 | 家族の休養・一時預かり・在宅支援 | リハビリ・交流・機能維持 |
| 提供時間 | 24時間体制 | 日中のみ |
| サービス内容 | 食事・入浴・排泄・夜間介護など | 介護・機能訓練・レクリエーションなど |
| 利用費用 | 1泊あたり3,000〜7,000円前後(自己負担1〜3割) | 1回あたり1,000〜3,000円前後(自己負担1〜3割) |
このように、ショートステイは「泊まり」、デイサービスは「通い」という点が最も大きな違いです。
家族の状況や本人の希望に合わせて、適切に使い分けることが大切です。
どっちを選ぶ?ショートステイとデイサービスの使い分け方
介護者の負担を減らしたいなら「ショートステイ」
介護者が仕事や体調不良、冠婚葬祭などで一時的に介護が難しいときは、ショートステイの利用が便利です。
夜間の介護や見守りもあるため、安心して介護を任せられます。
また、介護者の「休息期間」として定期的に利用することで、介護疲れの予防にもつながります。
本人のリハビリや外出機会を増やしたいなら「デイサービス」
デイサービスは、自宅での生活を続けながら定期的に外出できる点が魅力です。
理学療法士などの専門職による機能訓練や運動プログラムを受けられる施設も増えています。
「体を動かしたい」「人と話す時間を作りたい」という方にはデイサービスがぴったりです。
併用はできる?ショートステイとデイサービスの上手な組み合わせ
ショートステイとデイサービスは、介護保険の支給限度額の範囲内で併用が可能です。
たとえば、
- 週に2〜3回デイサービスを利用し、
- 月に数回ショートステイを活用する
といった組み合わせが一般的です。
このように併用することで、本人の生活リズムを保ちながら、家族の負担を大幅に軽減できます。
利用を検討する際は、ケアマネジャーに相談して最適なケアプランを立てることが重要です。
利用までの流れと注意点
利用の流れ
- ケアマネジャーへ相談
- ケアプランの作成
- 施設見学・契約
- サービス開始
注意点
- 繁忙期(長期休暇など)は予約が取りづらい
- 医療的ケアが必要な場合、受け入れ可否を確認する
- 費用には「食費・宿泊費・日用品費」などの自己負担分が含まれる場合がある
事前に施設の特徴や雰囲気を見学しておくと安心です。
よくある質問(Q&A)
Q1. ショートステイとデイサービスを同じ施設で利用できますか?
はい、可能です。
多くの施設では両サービスを提供していますが、契約が別になる場合もあります。
併用を希望する場合は、ケアマネジャーを通じて事前に調整しましょう。
Q2. 費用の目安はどれくらいですか?
自己負担は介護保険の1〜3割が基本で、
- デイサービス:1回あたり 1,000〜3,000円前後
- ショートステイ:1泊あたり 3,000〜7,000円前後(食費・宿泊費別)
となります。詳細はケアマネジャーや市区町村窓口で確認しましょう。
Q3. ショートステイを長期間続けて利用することはできますか?
原則は短期利用ですが、介護者の入院や在宅準備などの特別な事情がある場合、数週間の連続利用が認められることもあります。
ただし、長期的な入所を希望する場合は、特別養護老人ホームなど別の施設サービスを検討しましょう。
Q4. デイサービスを利用するには介護認定が必要ですか?
はい、原則として要介護認定または要支援認定が必要です。
認定を受けていない場合は、市区町村の介護保険課に申請を行いましょう。
Q5. 家族が急に介護を休みたいとき、ショートステイはすぐ利用できますか?
空きがあれば利用できますが、基本は予約制です。
突発的な利用を想定して、日頃から複数の施設をチェックしておくのがおすすめです。
ケアマネジャーを通じて「緊急ショートステイ」を依頼できる場合もあります。
Q6. デイサービスに通う頻度はどのくらいが一般的ですか?
週1〜3回が一般的です。
定期的に通うことで生活リズムが整い、リハビリ効果も高まります。
初めての方は週1回からスタートして慣れていくと良いでしょう。
まとめ|目的に合わせて賢く使い分けよう
ショートステイとデイサービスは、どちらも高齢者の生活を支える大切な介護サービスです。
- 介護者の負担を減らしたい → ショートステイ
- 本人のリハビリや交流を増やしたい → デイサービス
どちらが良いかを決めるポイントは、「利用目的」と「生活スタイル」です。
状況に応じて併用することで、無理のない在宅介護を続けることができます。
ケアマネジャーと相談しながら、あなたや家族に合った最適な介護サービスを選びましょう。


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