高齢化が進む中で、「そろそろ老人ホームを考えようかな」と検討する方が増えています。
しかし、いざ調べてみると「種類が多すぎて違いがわからない」「費用の目安が知りたい」と感じる人も多いのではないでしょうか。
この記事では、主要な老人ホーム6種類の特徴・費用・選び方のポイントをわかりやすく解説します。
自分や家族に合った施設を見つけるための第一歩として、ぜひ参考にしてください。
老人ホームとは?基本の仕組みを理解しよう
「老人ホーム」とは、高齢者が安心して生活できるように、介護や生活支援を受けられる施設の総称です。
大きく分けると、次の2種類があります。
- 介護施設系:介護保険を利用して生活全般の支援を受ける(特養・老健など)
- 住宅系:自立した生活をベースに、必要に応じて介護サービスを利用する(有料老人ホーム・サ高住など)
どのタイプが適しているかは、「どの程度の介護が必要か」によって大きく異なります。
まずは、今の介護度や健康状態を確認することが大切です。
老人ホームの主な種類と特徴・費用
特別養護老人ホーム(特養)
特養は、介護が必要な高齢者のための公的施設です。介護職員が常駐しており、日常生活を全面的にサポートしてくれます。
- 対象者:要介護3以上
- 費用の目安:月10〜15万円前後(所得により減額あり)
- メリット:費用が安く、長期入居が可能
- デメリット:入居待ちが長く、人気施設は数年待つことも
安定した介護を長く受けたい方におすすめです。
介護老人保健施設(老健)
老健は、病院と自宅の中間に位置するリハビリ重視の施設です。医師や理学療法士が常駐し、在宅復帰を目指します。
- 対象者:要介護1以上
- 費用の目安:月15〜20万円程度
- メリット:医療・リハビリ体制が整っている
- デメリット:長期入居はできず、原則3〜6か月程度で退所
病院から退院後、自宅での生活に不安がある方に適しています。
有料老人ホーム
民間企業が運営する老人ホームで、サービスや料金の幅が非常に広いのが特徴です。
- 対象者:自立〜要介護者まで幅広く対応
- 費用の目安:月10〜30万円前後(入居金が必要な場合も)
- メリット:設備やサービスが充実、自由度が高い
- デメリット:費用が高くなるケースが多い
ホテルのような快適な住環境を求める方に人気です。
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
サ高住は、自立した高齢者向けの賃貸住宅型施設です。見守りや生活支援のサービスが付き、自由な暮らしが可能です。
- 対象者:自立〜軽度の要介護者
- 費用の目安:月10〜20万円前後(家賃+管理費+サービス料)
- メリット:プライバシーを確保しつつ安心できる生活
- デメリット:介護度が上がると住み続けが難しい場合も
「まだ元気だけど一人暮らしは不安」という方に最適です。
グループホーム
グループホームは、認知症の方が少人数で共同生活を送る施設です。家庭的な雰囲気の中でケアを受けられます。
- 対象者:認知症の要介護者
- 費用の目安:月15〜20万円程度
- メリット:落ち着いた環境で、スタッフとの距離が近い
- デメリット:自立度の高い方には不向き
地域とのつながりを重視し、穏やかな暮らしを送りたい方におすすめです。
小規模多機能型居宅介護(小規模多機能)
小規模多機能は、「通い(デイサービス)」「泊まり」「訪問介護」を組み合わせて、在宅生活を支える施設です。
- 対象者:要支援〜要介護者
- 費用の目安:月15〜25万円前後(介護度により変動)
- メリット:顔なじみの職員による継続的な支援、自宅での生活を維持できる
- デメリット:定員が少なく、希望しても利用できない地域もある
「できる限り自宅で過ごしたい」という希望を叶えやすいサービスです。
老人ホームを選ぶときのポイント
介護度・健康状態に合っているか
要介護度が高い場合は特養や老健、軽度の場合はサ高住や有料老人ホームが適しています。
費用と家計のバランス
月額費用だけでなく、入居一時金や医療費、食費などを含めて総合的に判断しましょう。
立地と環境
家族が通いやすい場所か、周辺に病院や商業施設があるかも重要です。
サービス内容と雰囲気
食事・レクリエーション・医療体制など、施設によって大きく異なります。実際に見学し、スタッフの対応や清潔感も確認しましょう。
入居までの流れ
資料請求→見学→面談→契約という流れが一般的です。人気施設は早めの行動が大切です。
老人ホームの種類別比較表
| 種類 | 対象者 | 月額費用目安 | 特徴 | デメリット |
|---|---|---|---|---|
| 特養 | 要介護3以上 | 約10〜15万円 | 公的施設・費用が安い | 入居待ちが長い |
| 老健 | 要介護1以上 | 約15〜20万円 | 医療・リハビリ重視 | 長期入居不可 |
| 有料老人ホーム | 自立〜要介護 | 約10〜30万円 | サービス充実・快適 | 費用が高い |
| サ高住 | 自立〜軽度 | 約10〜20万円 | 自宅のような自由生活 | 介護度上昇に弱い |
| グループホーム | 認知症 | 約15〜20万円 | 家庭的で安心 | 自立者には不向き |
| 小規模多機能 | 要支援〜要介護 | 約15〜25万円 | 通い・泊まり・訪問が柔軟 | 定員が少ない |
よくある質問(Q&A)
Q1. 老人ホームの費用はどれくらいかかる?
→ 目安は月10〜25万円前後です。公的施設は安く、民間施設は高めになります。
Q2. 医療ケアが必要な場合は?
→ 老健や医療対応型の有料老人ホームがおすすめです。
Q3. 小規模多機能とグループホームの違いは?
→ 小規模多機能は「通い・泊まり・訪問」を組み合わせて在宅生活を支援、グループホームは認知症の方が共同生活を送る施設です。
Q4. どんな施設を選べば失敗しない?
→ 資料請求や見学を複数行い、「費用・介護体制・雰囲気」を比較することが大切です。
まとめ|自分や家族に合った施設を見つけよう
老人ホームには、特養・老健・有料老人ホーム・サ高住・グループホーム・小規模多機能など多くの種類があります。
それぞれの特徴と費用を理解し、介護度・生活スタイル・予算に合わせて選びましょう。
まずは気になる施設の資料を取り寄せて比較し、実際に見学して雰囲気を確かめることが大切です。
早めの情報収集が、安心できる老後の生活につながります。








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