「特定健診の案内ハガキが届いたけど、正直よく分からない…」「メタボ健診って本当に必要なの？」
そんなモヤモヤを感じて、そのまま放置していませんか？
特定健診（メタボ健診）は、40〜74歳を対象に、メタボリックシンドロームや生活習慣病のリスクを早期に見つけるための健診です。将来の心筋梗塞や脳卒中を予防するために、国の制度として実施されています。
この記事では、
- 特定健診（メタボ健診）とは何か
- 対象となる人（対象年齢・加入している保険ごとの違い）
- 実際の検査内容
- 費用はいくら？本当に安く（または無料で）受けられるのか
- 「要再検査」と言われたときの基本的な考え方
などを、はじめての方にもわかりやすく解説します。
「とりあえず仕組みを知ってから受けるか決めたい」という方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
特定健診（メタボ健診）とは？目的と一般の健康診断との違い
特定健診とは、40〜74歳の人を対象に、メタボリックシンドローム（内臓脂肪型肥満）や生活習慣病のリスクを早期に発見することを目的とした健診制度です。
会社や自治体が行う一般的な健康診断と似ていますが、
- お腹まわり（腹囲）
- 血圧
- 血糖や脂質（コレステロール・中性脂肪）
など、メタボに関係する項目に特に注目している点が特徴です。
なぜ「メタボ健診」と呼ばれるのか
特定健診では、肥満・高血圧・脂質異常・高血糖などが重なっている状態＝メタボリックシンドロームの有無をチェックします。
メタボは自覚症状がほとんどなく、放置すると
- 心筋梗塞
- 脳卒中
- 腎臓病
などの重い病気につながるため、「メタボ健診」として広く案内されています。
生活習慣病予防のための“入口”としての役割
特定健診は、病気を見つけるというより「将来のリスクを下げるための入口」のイメージに近いです。
健診の結果をもとに、
- 食事や運動のアドバイスを受ける「特定保健指導」
- 必要に応じた医療機関受診
などへつなげることで、重症化を防ぐことが大きな目的です。
特定健診の対象者は？年齢と保険の種類で決まる
特定健診の対象になるかどうかは、主に
- 年齢（40〜74歳かどうか）
- 加入している医療保険の種類
で決まります。
基本は40〜74歳が対象
特定健診の対象年齢は、40〜74歳の医療保険加入者です。
この年齢層は、メタボや生活習慣病のリスクが高まりやすい世代であるため、国の制度として健診が行われています。
自治体の国民健康保険の場合
自営業・フリーランス・主婦（夫）などで市区町村の国民健康保険に加入している人は、住んでいる自治体が特定健診の窓口になります。
- 自治体から案内ハガキが届く
- 指定の医療機関に予約して受診する
という流れが一般的です。
費用は無料〜数百円程度に設定されていることも多く、自治体によっては全額助成しているケースもあります。
勤め先の健康保険組合・協会けんぽの場合
会社員・公務員などで職場の健康保険に加入している人も、特定健診の対象となります。
この場合は、
- 会社の定期健康診断の中に特定健診の項目が含まれている
- 健保組合が契約している健診機関で実施される
など、勤務先が案内してくれるパターンが多いです。
「これは特定健診なの？」と気になる方は、会社の総務や健保組合に確認してみると安心です。
特定健診の検査内容｜当日の流れと主な検査項目
特定健診の基本的な流れは、一般的な健康診断と大きくは変わりません。
受付〜問診：生活習慣をチェック
まずは受付を済ませ、問診票に記入します。
- 喫煙習慣の有無
- 飲酒の頻度
- 運動習慣の有無
- 体重の増減
- これまで指摘された病気の有無
など、生活習慣やこれまでの病歴がチェックされます。
ここでの情報は、後の「特定保健指導」の内容にも関わるため、できるだけ正直に書くことが大切です。
身体測定・血圧測定
次に、身体測定と血圧測定を行います。
- 身長・体重・BMI
- 腹囲（へその高さで測定）
- 血圧
特に腹囲はメタボ判定の重要なポイントになります。
「ちょっと恥ずかしい…」と感じる方もいますが、将来の健康のための大事なデータだと思って受けてみましょう。
血液検査・尿検査でわかること
血液検査・尿検査では、主に次のような項目をチェックします。
- 血糖（空腹時血糖、HbA1cなど）
- 脂質（中性脂肪、HDL・LDLコレステロール）
- 肝機能（AST・ALT・γ-GTP など）
- 尿糖・尿たんぱく
これらの数値から、
- 糖尿病のリスク
- 脂質異常症（高脂血症）のリスク
- 肝臓への負担（アルコールや肥満の影響など）
が分かります。
必要に応じて、心電図や眼底検査などを追加するケースもあります（これは健診機関や保険者によって異なります）。
特定健診の費用はいくら？無料になる場合もある
「いくらかかるのか分からないから受けづらい…」という声もよく聞きますが、特定健診は比較的負担が少なく受けられるように設計されているのが特徴です。
自己負担は「無料〜数千円」が目安
特定健診の費用は、加入している保険者（自治体・健保組合など）が大きな部分を負担してくれるため、自己負担額は無料〜数千円程度におさえられていることが多いです。
- 自治体の国民健康保険：無料〜1,000円前後が目安
- 会社員の健保組合：定期健診として会社負担の場合も多い
「こんなに調べてもらってこの値段でいいの？」と感じる方もいるくらい、コスパの良い健診といえます。
費用の確認方法と、予約前にチェックしたいポイント
正確な金額や助成内容は、お住まいの自治体や加入している保険によって異なります。
予約前に、
- 自治体から届いた案内ハガキやパンフレット
- 加入している健康保険組合のホームページ
- 会社の総務・人事担当
などで確認しておくと安心です。
「費用はどれくらいかかりますか？」と健診機関に直接問い合わせるのもOKです。
結果票の見方のポイントと「要再検査」と言われたとき
特定健診の結果は、後日「結果票」として郵送されるか、職場を通じて配布されます。
数字が並んでいて難しく見えますが、ポイントを押さえればざっくりと自分の状態をつかむことができます。
まずはここだけ見ると良い項目
たくさん項目がありますが、特にチェックしたいのは次のあたりです。
- 腹囲・BMI：肥満の程度
- 血圧：高血圧の有無
- 血糖（空腹時血糖・HbA1c）：糖尿病のリスク
- 中性脂肪・HDL・LDLコレステロール：脂質異常症のリスク
また、結果票には「判定」や「コメント」が記載されていることが多く、
- 異常なし
- ●年後の再検査
- 要経過観察
- 要受診・要精密検査
など、次にどうしたらよいかの目安も書かれています。
「要再検査」「要精密検査」と書かれていた場合
「要再検査」や「要精密検査」と書かれていると、不安になりますよね。
ただし、イコール「すぐに大きな病気」というわけではありません。
- 検査値が基準よりやや外れている
- もう一度詳しく調べた方が安心
- 治療が必要かどうかを判断するために受診してほしい
といった意味合いであることが多いです。
放置せず、できるだけ早めにかかりつけ医や内科を受診して、結果票を見せながら相談してみましょう。
医療機関を受診するタイミングの目安
目安としては、
- 「要精密検査」：できれば数週間以内〜1か月以内に受診
- 「要再検査」「要受診」：1〜3か月以内を目安に相談
と考えておくとよいでしょう。
数値が高めと言われた場合でも、早めに行動するほど改善のチャンスが大きくなります。
特定健診を受けるメリットと、上手な活かし方
最後に、「特定健診を受けると具体的にどんな良いことがあるのか？」を整理しておきましょう。
症状が出る前にリスクに気づける
生活習慣病の多くは、かなり進行するまで自覚症状がほとんどありません。
特定健診をきっかけに、
- 血圧が高めになっている
- 血糖値が境界域に入っている
- コレステロールが少し高め
などに気づければ、薬が必要になる前の段階で、生活習慣を整えることで改善を目指すことも可能です。
特定保健指導につなげて生活習慣を見直す
特定健診の結果、リスクの高い方には「特定保健指導」という、専門職による生活習慣改善のサポートが案内されることがあります。
- 管理栄養士・保健師などとの面談
- 食事・運動のアドバイス
- 具体的な目標設定や振り返り
などを通して、一人では続けづらい生活改善を、伴走してもらいながら進められるのがメリットです。
「毎年の健康チェック」の習慣づくりにもなる
特定健診は、1年に1回受けることが推奨されています。
毎年の結果を見比べることで、
- 体重や腹囲の変化
- 血圧・血糖・脂質の推移
が分かり、「去年より少し良くなった」「ここは要注意だな」といった長期的なセルフマネジメントにもつながります。
まとめ｜特定健診（メタボ健診）は「将来の自分への投資」
特定健診（メタボ健診）は、
- 40〜74歳を対象に
- メタボや生活習慣病のリスクを早期に見つけ
- 将来の重い病気を予防する
ために設計された、大切な仕組みです。
費用の自己負担も少なく、内容に対してのコスパは非常に高い健診といえます。
案内ハガキが来ている人は、「また今度でいいか…」と先延ばしにせず、ぜひ一度予約して受けてみてください。
今の自分の状態を知ることが、将来の健康への第一歩になります。
よくある質問 Q&A
Q1. 特定健診と人間ドックはどう違うのですか？
A. 特定健診は、40〜74歳を対象に「メタボ・生活習慣病リスク」に焦点を当てた国の制度上の健診です。
一方、人間ドックは、がん検診や胃カメラ、CT検査など、より多くの項目を自由に組み合わせて受けられる任意の総合検査というイメージです。
「まずは基本的なリスクを知りたい」という段階なら特定健診、「より詳しく全身をチェックしたい」なら人間ドック、と考えると分かりやすいです。
Q2. 会社の健康診断を受けていれば、特定健診は不要ですか？
A. 勤め先の健康診断の中に、実質的に特定健診の項目が含まれていることが多いです。
その場合、会社の健診＝特定健診を兼ねているケースもあります。
自分の健診が特定健診に該当するかどうかは、会社の総務・人事、または健康保険組合に確認してみると安心です。
Q3. 服薬中（高血圧・糖尿病など）でも特定健診を受ける意味はありますか？
A. はい、あります。
すでに治療中の方でも、
- 現在の治療がどれくらい効いているか
- 体重や腹囲、他の数値がどう変化しているか
を、年単位で客観的に追いかけることができます。
かかりつけ医への受診とあわせて、「経過を見るためのデータ」として特定健診を活用するのがオススメです。
Q4. 朝ごはんを食べて行ってしまったのですが、それでも受けられますか？
A. 血糖や中性脂肪など、一部の項目は”空腹時（飲食なし）”で測ることが前提になっていることが多いです。
朝食をとってしまった場合、
- 当日の検査項目が一部変更になる
- 日を改めて再度採血が必要になる
といった対応になることがあります。
健診案内に「○時間以上の絶食」などの記載がある場合は、次回からしっかり守るようにしましょう。
Q5. 結果で「境界域」と言われました。すぐに薬は必要ですか？
A. 「境界域」は、今すぐ薬が必要というより、『このままだと将来リスクが高まるゾーン』というイメージです。
ただし、年齢や他の病気の有無、生活習慣などによって対応は変わります。
結果票を持って医師に相談し、
- 今は生活習慣の見直しがメインで良いのか
- 薬を開始した方が良いレベルなのか
を、一緒に判断してもらうのが安心です。
Q6. 忙しくてなかなか行けません。特定健診はいつまでに受ければいいですか？
A. 多くの自治体や健保では、年度ごと（4月〜翌年3月など）に受診期間が決まっています。
案内ハガキやホームページに「実施期間」「締め切り日」が記載されているので、まずはそこをチェックしてみましょう。
ギリギリになると予約が取りづらくなることも多いので、都合のつきやすい平日や午前中を早めにおさえてしまうのがオススメです。
Q7. 特定健診を受けたあと、普段の生活で意識しておくとよいことは？
A. 結果を見たうえで、次のようなポイントを意識すると効果的です。
- 体重・腹囲が高めなら「＋○kgまで」「ベルトの穴1つ分」など、現実的な目標を決める
- 血圧が高めなら、塩分を減らす・アルコール量を見直す
- 血糖や脂質が高めなら、夕食の量や間食・甘い飲み物をまず調整する
いきなり完璧を目指すより、「できそうなことを1つずつ」が長続きのコツです。
特定保健指導の案内が来た場合は、無理なく続けるためのサポートとして、前向きに活用してみてください。
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