「最近いびきがひどいよ」「寝てるとき呼吸が止まってたよ」——そんなふうに言われて、内心ドキッとしたことはありませんか?
いびきは“疲れているだけ”で起こることもありますが、実は空気の通り道が狭くなっているサインのこともあります。さらに、いびきに加えて「呼吸が止まる」状態がある場合、睡眠時無呼吸症候群(SAS)*の可能性も。放置すると睡眠の質が落ちるだけでなく、日中の眠気や体の負担につながることがあります。
とはいえ、「病院に行くほどなの?」「何科に行けばいい?」と迷う人が多いのも事実です。
この記事では、セルフチェックで今の状態を整理しながら、受診の目安・受診先・検査や治療の流れ、そして今日からできる対策までを分かりやすくまとめます。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。症状が強い場合や不安がある場合は、自己判断せず医療機関にご相談ください。
いびきと睡眠時無呼吸(SAS)の違いをざっくり理解
いびきは「空気の通り道が狭いサイン」
いびきは、眠って筋肉がゆるんだときに、喉や鼻の空気の通り道が狭くなり、振動が起きて音になることで発生します。
つまり、いびきそのものは“病気”とは限りません。ただし、毎晩のように大きないびきが続く場合は、気道が狭くなる要因(体重増加、鼻づまり、顎の形、寝る姿勢、飲酒など)が強くなっている可能性があります。
無呼吸は“呼吸が止まる”状態
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、眠っている間に呼吸が止まったり浅くなったりする状態が繰り返されるものです。
体は酸素が足りなくなると危険を察知して、眠りを浅くして呼吸を再開させます。その結果、本人は寝ているつもりでも、実は睡眠が分断されて熟睡感が減る/日中眠くなるといった不調につながりやすくなります。
よくある誤解
無呼吸は「太っている人だけのもの」と思われがちですが、痩せていても起こることがあります。
たとえば、顎が小さい・喉が狭い・鼻づまりが強いなど、体型以外の要因でも気道は狭くなります。「自分は違うはず」と決めつけず、まずはチェックで状況を整理するのが安心です。
まずはセルフチェック
本人チェック
次の項目に当てはまるものが多いほど、睡眠の質が落ちている可能性があります。
- 朝起きたときに口が乾いている(口呼吸になりやすい)
- 起床時に頭が重い/頭痛がある
- しっかり寝たはずなのに熟睡感がない
- 夜中にトイレで起きる回数が増えた
- 日中に強い眠気がある(会議中・電車・運転中など)
- 集中力が落ちた/イライラしやすい/気分が落ち込みやすい
- 体重が増えた、または首まわりが太くなってきた
「疲れているだけ」と片づけたくなる症状こそ、積み重なると生活のパフォーマンスに影響します。
家族・同居人チェック
無呼吸の判断は、本人よりも周りの人の観察が手がかりになることが多いです。
- 大きないびきがほぼ毎晩ある
- いびきが止まったあとに、**ガッ!フゴッ!**と再開する
- 寝ている間に息が止まっているのを見た
- 寝相が激しい/むせるような呼吸をする
- 息苦しそうで、途中で何度も目が覚めているように見える
もし可能なら、スマホの録音や家族のメモで「頻度」と「パターン」を残しておくと受診時に役立ちます。
危険度の目安
セルフチェックは診断ではありませんが、受診の優先度を決める目安になります。
- 軽度っぽい:たまにいびきがあるが、日中の眠気が少ない
- 要検討:いびきが頻繁+熟睡感がない/日中の眠気がある
- 要受診:無呼吸の目撃がある、息苦しさで起きる、運転中に眠いなど
特に「無呼吸の目撃」「強い眠気」は、様子見よりも相談がおすすめです。
受診の目安
すぐ受診
次に当てはまる場合は、できるだけ早く医療機関へ相談を。
- 家族が呼吸が止まっているのを何度も見ている
- 運転中に眠くなり、ヒヤッとすることがある
- 息苦しさ・窒息感で目が覚める
- 日中の眠気が強く、仕事や生活に支障が出ている
安全に直結するため、「忙しいから後で…」は避けたいサインです。
早めに受診
緊急性は高くなくても、放置しないほうがよいケースです。
- 週3回以上の大きないびきが続く
- 熟睡感がなく、だるさが抜けない
- 高血圧や血糖、心臓の不整脈などを指摘されている
- 体重増加や飲酒の増加とともにいびきが悪化した
「そのうち治る」よりも、まず検査で現状を知るほうが安心につながります。
まず生活改善+経過観察でもよいケース
次のように原因がはっきりしていて、一時的な可能性が高い場合は、生活を整えながら様子を見る選択もあります。
- 風邪・鼻炎・花粉などで鼻が詰まっている
- 深酒をした日だけいびきがひどい
- 明らかに寝不足が続いている時期
ただし、無呼吸っぽさ(息が止まる・ガッと再開)がある場合は、様子見より受診が無難です。
何科に行けばいい?受診先の選び方
基本:睡眠外来/呼吸器内科/耳鼻咽喉科
いびき・無呼吸が気になるときの相談先として多いのは、睡眠外来、呼吸器内科、耳鼻咽喉科です。
地域によっては「睡眠センター」「いびき外来」などの名称もあります。
迷ったらこの選び方
- 無呼吸が強そう/日中眠い/持病(高血圧など)がある → 呼吸器内科・睡眠外来
- 鼻づまり・アレルギー・扁桃など、上気道の問題が強そう → 耳鼻咽喉科
迷ったら、まずは通いやすい医療機関で相談し、必要に応じて専門へ紹介してもらうのも一つです。
検査の流れ
一般的な流れは次のようなイメージです。
- 問診(症状・生活習慣・家族の目撃情報)
- 簡易検査(自宅でできる検査)
- 必要に応じて精密検査(PSG:睡眠ポリグラフ検査)
- 結果に応じて治療方針(CPAP、マウスピース、生活改善など)
「いきなり大掛かりな治療」ではなく、まずは検査で現状把握から始まることが多いです。
治療の選択肢
CPAP
CPAPは、睡眠中に機械から空気を送り、気道が潰れないように支える治療です。
重症度が高い場合に検討されることが多く、睡眠の質や日中の眠気の改善につながるケースもあります。
マウスピース
就寝時に下顎を少し前に出して、空気の通り道を確保するタイプがあります。
軽〜中等度の無呼吸や、いびきが主な悩みの場合に選択されることもあります。
減量・運動・飲酒対策
体重や体脂肪の増加、飲酒、睡眠不足は、いびき・無呼吸を悪化させやすい要因です。
「治療=機械」と決めつけず、生活を整えるだけでも改善するケースがあるのがポイントです。
鼻炎治療/体位療法(横向き寝)など
鼻づまりが強い場合は、鼻炎治療や就寝環境の調整が効果的なこともあります。
また仰向けで悪化しやすい人は、横向き寝の工夫(体位療法)が役立つ場合があります。
今日からできるセルフケア
寝る前のアルコールを減らす
アルコールは筋肉をゆるめやすく、喉の気道が狭くなっていびきが増えやすい要因です。
まずは「寝酒をやめる」「量を減らす」「就寝直前は避ける」から始めると変化が出やすいです。
横向き寝の工夫
仰向けで悪化しやすい人は、横向きになるだけでいびきが減ることがあります。
抱き枕、クッション、背中に丸めたタオルを当てるなど、続けやすい方法でOKです。
鼻の通りを整える
乾燥は鼻づまりを助長し、口呼吸→いびきにつながることがあります。
加湿、室温調整、寝具の清潔、花粉・ハウスダスト対策など、できる範囲で整えてみてください。
体重・首周りの管理
短期間で大きく痩せる必要はありません。
「夜食を減らす」「週2回の軽い運動」「階段を使う」など小さな積み重ねでも、気道の圧迫が軽くなるケースがあります。
寝不足を防ぐ
寝不足が続くと睡眠が深くなりすぎて筋肉がゆるみ、いびきが強く出ることがあります。
まずは就寝・起床時刻を整え、「最低限の睡眠時間」を守るだけでも変化が出る人がいます。
Q&A
Q:痩せてるけど無呼吸になりますか?
なります。体型以外にも、顎の形、喉の狭さ、鼻づまりなどで気道が狭くなることがあります。体型だけで判断しないのが大切です。
Q:アプリの録音やスマートウォッチって信じていい?
参考にはなりますが、診断はできません。
「いびきの頻度」「止まってそうなタイミング」を把握する材料として使い、気になるなら医療機関で検査するのが安心です。
Q:CPAPって一生つけるの?
状態によります。治療を継続することで症状が安定し、生活改善(体重、飲酒、鼻炎など)と合わせて方針が変わることもあります。主治医と相談しながら調整していく形が一般的です。
Q:市販のいびきグッズは効果ある?
合う人もいますが、原因が「鼻」なのか「喉」なのかで効果は変わります。無呼吸が疑われる場合は、市販品で済ませず検査で確認するのがおすすめです。
Q:女性や若い人でも起こる?
起こります。特に鼻づまりや顎の形、疲労・睡眠不足などが重なると、年齢や性別に関係なく症状が出ることがあります。
まとめ:迷ったら“チェック→相談”が安心
いびきはよくある悩みですが、「呼吸が止まる」「強い眠気がある」などのサインがある場合は、早めに相談する価値があります。
受診は“怖い治療を始めること”ではなく、まずは検査で現状を把握することが第一歩です。
一方で、生活習慣(飲酒・姿勢・鼻づまり・睡眠不足)を整えるだけで改善するケースもあります。
できる対策から始めつつ、「これは当てはまるかも」と思ったら、睡眠外来・呼吸器内科・耳鼻咽喉科などで相談してみてください。


コメント