夜中にトイレで起きる回数が増えると、睡眠が細切れになって翌日のだるさ・集中力低下につながります。「寝る前の水分を減らせばいい」と思いがちですが、夜間頻尿は原因が複数のことも多く、対策がズレると改善しにくいのが特徴です。
結論から言うと、夜間頻尿はまず ①夜に尿が増える(尿量の問題)②膀胱が敏感(膀胱の問題)③眠りが浅い(睡眠の問題) の3つに分けて考えると、やるべきことが一気に整理できます(排尿日誌で判別しやすいです)。国際的にも夜間頻尿(nocturia)は「主な睡眠時間中に排尿のために目が覚めること」と定義され、回数は膀胱日誌で評価するのが基本です。
この記事では、夜間頻尿の目安・原因のタイプ分け・セルフチェック・今日からできる対策・受診の目安まで、コピペで使える形でまとめます。
※本記事は一般的な情報です。症状が強い/急に悪化した/不安がある場合は医療機関にご相談ください。
夜間頻尿とは?何回から「多い」の目安
夜間頻尿は、寝ている途中に尿意で起きて排尿する状態です(起きてから排尿し、また眠りに戻るイメージ)。定義としては「主な睡眠時間中に排尿のために目が覚めること」で、排尿ごとに“睡眠→排尿→睡眠”があることがポイントです。
目安は何回?
回数だけで一律に「異常」とは言えません。ただ、実生活では次のように考えると判断しやすいです。
- 1回でも「再入眠に時間がかかる」「翌日に眠気が残る」なら対策する価値あり
- 2回以上が続く、または最近増えてきたなら原因を整理して対策を優先
- 夜間の移動が増えるほど、睡眠の質低下や転倒リスクにもつながるため、つらい場合は我慢しない
まずは原因を3タイプに分ける(ここが最重要)
夜間頻尿の改善がうまくいかない最大の理由は、「原因が違うのに同じ対策をしている」ことです。まずはあなたの状態を3タイプで整理します(混ざることも多いです)。
①「尿が多い」タイプ(多尿・夜間多尿)
このタイプは、夜に作られる尿が増えているのが本質です。日本泌尿器科学会の一般向け解説でも、夜間頻尿は「多尿」「夜間多尿」など尿量の増加によって起こり得ること、目安として多尿は24時間尿量が体重あたり40mL/kg超、夜間多尿は(65歳以上では)夜間尿量が24時間尿量の33%超などが示されています。 日本泌尿器科学会
よくある要因
- 夕方以降の水分が多い(「昼に飲めていなくて夜にまとめて」も含む)
- 塩分が多くて喉が渇く → 夜の水分が増える
- アルコールやカフェインなど利尿に働く飲み物
- 日中のむくみ(脚の水分が夜に戻って尿になる)
- 高血圧・心不全・腎機能障害・糖尿病などが関係することも
②「膀胱が敏感」タイプ(膀胱容量の低下・過活動膀胱など)
こちらは「尿が大量に作られている」というより、少量でも尿意が出やすい状態です。
- 1回量が少ないのに回数が多い
- 急に強い尿意が出る/我慢しにくい
- 昼間も頻尿傾向
といった特徴が出やすいです。過活動膀胱(OAB)では、行動療法(生活・行動の工夫)が治療の第一選択になることが多い、といった考え方も一般向けに示されています。
③「眠りが浅い」タイプ(睡眠の問題)
実は「尿意で起きる」のではなく、
眠りが浅い → 途中で目が覚める → ついトイレに行く
という順番の人も少なくありません。
特に、いびき・日中の強い眠気・呼吸が止まる指摘がある場合、睡眠時無呼吸(OSA)と夜間多尿/夜間頻尿の関連が知られ、治療(CPAPなど)で症状が改善する可能性も報告されています。
セルフチェック|あなたはどのタイプ?(3分診断)
いちばん手堅いのは、1〜3日だけでもいいので**排尿日誌(膀胱日誌)**をつけることです。夜間頻尿は「回数」よりも、夜の尿量・1回量・覚醒のパターンで見分けやすくなります(国際的にも日誌での定量評価が推奨されます)。
排尿日誌テンプレ
- 就寝時刻:
- 起床時刻:
- 夜間に起きた回数: 回(時刻: )
- そのときの尿量(可能なら): mL
- 夕方以降に飲んだもの(量/種類):
- アルコール:有・無(量: )
- カフェイン(コーヒー/お茶等):有・無(時間: )
- むくみ:夕方に靴下跡がつく/脚が重い(有・無)
- 睡眠:寝つきが悪い/途中で何度も覚醒(有・無)
タイプ判定の目安
- 夜の尿量が多い(1回量もそれなり)→ ①尿が多いタイプ寄り
- 回数が多いのに1回量が少ない → ②膀胱が敏感タイプ寄り
- 尿意より先に目が覚めている感じ/寝つき・中途覚醒が多い → ③睡眠タイプ寄り
夜間頻尿の対策|最初に見直すこと
全部やる必要はありません。あなたのタイプに合いそうなものを“1〜2個”からでOKです。
① 夕方以降の水分は「量」より「配分(前倒し)」を変える
水分を極端に減らすのはおすすめしません(脱水や便秘の原因にも)。狙いは、夜に偏らせないことです。
- 水分は午前〜夕方に前倒し(日中にしっかり、夜は軽め)
- 寝る直前の「なんとなく一気飲み」をやめる
- 喉が渇くなら、少量をゆっくり(“ゼロ”にしない)
② カフェイン・お酒・塩分は「夜だけ」調整する
- 夕方以降のカフェイン(コーヒー・濃いお茶等)は控えめに
- 晩酌は量だけでなく、時間を早める(寝る直前を避ける)
- 塩分が多いと喉が渇きやすく、夜の水分が増えがち
「やめる」より、まず夜だけ工夫が続きやすいです。
③ むくみ対策(脚の水分が夜に尿になるのを減らす)
日中のむくみがある人は、夜間多尿に関わることがあります。
- 夕方に軽く歩く/かかと上げ(ふくらはぎを動かす)
- 5分でOK:脚を少し高くして休む
- 長時間座りっぱなしなら、こまめに立つ
「夜の尿の材料」を減らすイメージです。
④ 膀胱刺激を減らす(冷え・便秘・“とりあえずトイレ”)
- 寝る前に体を冷やさない(足首・お腹まわり)
- 便秘ぎみなら日中の水分配分+食物繊維を意識
- 目が覚めた瞬間に“反射でトイレ”になっている場合は、まず深呼吸して落ち着く(安全優先で無理はしない)
⑤ 睡眠の質を整える(「起きる回数」を減らす)
睡眠が浅いタイプが混ざる人ほどここが効きます。
- 寝る直前のスマホ時間を短くする
- 入浴で体温リズムを作る(眠気が出やすい流れ)
- 寝室の温度・光・音を見直す
- いびき・無呼吸っぽいなら医療機関で相談(OSAと夜間頻尿の関連が知られます)
病気が隠れていることも|受診の目安(早めが安心)
夜間頻尿は生活習慣で改善することも多い一方、内科的な病気や泌尿器の病気が関与することもあります。
すぐ相談したいサイン
- 血尿、排尿時の強い痛み、発熱
- 急に頻尿が増えた/強いだるさがある
- 息切れや強いむくみがある
- 夜間の転倒が増えた、ふらつく
迷ったら「念のため相談」でOKです。
男性で気にしたい:前立腺のサイン
- 尿の勢いが弱い、出るまで時間がかかる
- 残尿感、尿が途切れる
このあたりがあるなら、泌尿器科での相談がスムーズです。
受診先の目安
- 尿の出方・膀胱・前立腺が気になる → 泌尿器科
- むくみや持病、薬の影響も含めて見たい → 内科
- いびき/無呼吸/日中の眠気が強い → 睡眠外来(または相談できる内科)
持っていくと良いもの
- 排尿日誌(1〜3日)(回数だけでなく“量”も)
- 服用中の薬(サプリ含む)
- 飲水・カフェイン・飲酒の習慣
日誌は診断と対策の精度を上げます。
よくあるQ&A
Q:寝る前に水を飲まない方がいい?
A:極端にゼロより、日中に前倒しして夜を軽くする方が安全で続きやすいです。喉が渇くなら少量ずつに。
Q:1回は普通?2回以上は?
A:定義上は「主な睡眠時間中に排尿で起きる」ことが夜間頻尿ですが、つらさが基準です。
1回でも生活に支障があるなら対策を。2回以上が続く・増えてきたなら原因チェックがおすすめ。
Q:我慢すべき?
A:無理な我慢はおすすめしません。安全(転倒予防)を優先しつつ、原因に合った対策へ。
Q:睡眠時無呼吸と関係ある?
A:関連が報告され、治療で夜間頻尿が改善する可能性も示されています。いびき・無呼吸が疑われるなら相談を。
まとめ
夜間頻尿は「水分のせい」と決めつけず、①尿量 ②膀胱 ③睡眠の3タイプで整理すると、最短で対策できます。まずは
- 水分を日中に前倒し
- 夜のカフェイン/お酒/塩分を調整
- むくみと睡眠の質を整える
この順で、できるところから1〜2個だけ試してみてください。
そして、血尿・痛み・急な悪化・強いむくみや息切れなどがある場合は、早めに医療機関へ。排尿日誌を持参すると相談がスムーズです。


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