ケアマネジャーとの面談で、何を話せばいいのか分からない。
調べると「相談できること」は出てきます。介護方法の工夫、負担の軽減、施設の紹介、申請の代行。
ただ、どう伝えればいいかは、あまり書かれていません。
この記事で伝えたいこと
・「できる・できない」の二択では伝わりません
・🔸 条件をつけて言うと、そのまま使える情報になります
・リハビリの立場では「リスクのほう」を重点的に伝えていました
・本人は「できない」と言うことのほうが多いです
・⚠️ 伝えても、大きくは変わらないこともあります
⚠️ ケアプランを決めるのは、ケアマネジャーとご本人です。この記事は「こう言えばサービスが増える」という話ではなく、見ていることを正確に渡すための言い方についてのものです。
「できる・できない」では、伝わりません
たとえば「トイレは自分で行けます」。この一言では、何をどう手伝えばいいかが決まりません。
・立ち上がるとき、何かにつかまっているのか
・途中でふらついていないのか
・夜中でも同じようにできるのか
・誰かがそばにいる前提なのか
同じ「できます」でも、中身がまったく違います。
条件をつけると、そのまま使える情報になります
「できます」ではなく、「◯◯があればできます」。
言い方を変えるだけで、伝わる量が変わります。
| 伝わりにくい | 伝わる |
|---|---|
| トイレは自分で行けます | 手すりがあれば、日中は自分で行けます |
| 歩けます | 家の中は壁を伝って歩いています |
| お風呂は大丈夫です | またぐところだけ、手を貸しています |
| 食事はできます | 刻んであれば、ひとりで食べられます |
右側は、どれも「できる」と「できない」の間にあります。介護は、たいていこの間で起きています。
リハビリの立場で、実際に使っていた言い方
担当のケアマネジャーに報告するとき、私が使っていたのは次のような言い方でした。
「この動作は見守りが必要です」
できる、できない、の間を埋める言葉です。手は出さないけれど、そばにいてほしい。そういう場面は多くあります。
ご家族が使うなら、「ひとりでやらせると危ないので、見ているようにしています」という形になります。
「この時間帯が危ないです」
同じ人でも、時間帯で状態が変わります。朝と夜、食事の前と後、起きたばかりのとき。
とくに夜中のトイレは、暗くて、寝起きで、急いでいて、たいてい裸足です。「日中は大丈夫ですが、夜が心配です」は、そのまま計画に使える情報になります。
「これはできます」
できることも、はっきり伝えていました。
できることまで手伝ってしまうと、その動作をしなくなります。どこまで手を出さないかを決めるためにも、「これはできる」を共有しておく必要があります。
⚠️ リスクのほうを、重点的に
全部を均等に伝えるのではなく、危ないところから先に伝えていました。
面談の時間はかぎられています。何から話すかで、残る情報が変わります。
先に伝えるもの
・転びそうになった場面(実際に転んだなら、必ず最初に)
・夜間の動き
・お風呂とトイレ(事故が起きやすい場所です)
・薬を飲めているか
・食事の量が減っていないか
本人は「できない」と言うことのほうが多いです
ここは、調べて出てくる話と逆かもしれません。
「介護度を軽く見せないように、誇張して答えてはいけない」と書かれていることがあります。ただ、見てきた範囲では、できるのに「できない」とおっしゃる方のほうが多かったように思います。
責める話ではありません
・転ぶのが怖い
・できなくなったところを人に見られたくない
・やってもらったほうが、お互い早い
・その日の調子によって、本当にできない日がある
どれも、もっともな理由です。
大事なのは、本人の言葉と、見ている事実の両方を渡すことです。どちらかが正しいという話ではありません。
「本人はできないと言っていますが、昨日は手すりを使って自分で行けていました」。
この言い方なら、どちらも消しません。
⚠️ 伝えても、大きくは変わらないことがあります
正直に書きます。
報告したことが、計画に大きく反映されることは、あまり多くありませんでした。少し手直しが入る程度のことが多かったと思います。
ケアマネジャーのせいではありません
使える回数や予算には上限があります。本人が「行きたくない」と言えば、そのサービスは入りません。家族の都合もあります。
全部を聞いて、そのまま形にできる仕組みにはなっていません。
それでも伝える意味はあります
・記録として残ります(あとで状態が変わったときの比較になります)
・次の見直しのときに、判断材料になります
・転んだ、食べられていないといった変化は、別の対応につながります
・家族が何を心配しているかが、関係者に共有されます
一度で変わらなくても、積み上がります。
面談の前に、用意しておくと楽なもの
その場で思い出そうとすると、たいてい抜けます。
・いつ、どこで、何が起きたか(日付入りで3つくらい)
・手を貸している場面と、その中身
・困っている時間帯
・ここ1か月で変わったこと
紙でもスマホのメモでも構いません。「先月より、立ち上がりに時間がかかるようになりました」の一言が、いちばん効くことがあります。
こんなときは、面談を待たずに連絡を
⚠️ 次のような場合は、次の訪問を待たずにケアマネジャーか医療機関に連絡してください。
・転んだ(痛みがなくても)
・急に立てなくなった、歩けなくなった
・食事や水分がとれていない日が続いている
・薬が飲めていない
・発熱、ぐったりしている
・介護している側が限界に近い
最後の項目も、立派な連絡理由です。介護する人が倒れると、生活そのものが止まります。
よくある質問
Q1 細かく言うと、面倒がられませんか
量より順番です。危ないところから話せば、短くても伝わります。
全部を話そうとすると、かえって要点がぼけます。3つに絞るつもりで用意してみてください。
Q2 本人の前で「できない」と言いにくいです
当然だと思います。本人が聞いている場で、できないことを並べられるのはつらいものです。
気になるときは、別の機会に電話で伝えるか、メモを渡す形でも構いません。ケアマネジャーはそういう相談に慣れています。
Q3 認定された介護度が、実感と違います
実際と違うと感じることはあります。重すぎると感じる場合も、軽すぎると感じる場合も、どちらもあります。
納得がいかないときは、区分変更の申請という手続きがあります。まずはケアマネジャーに相談してください。ただし、必ず変わるわけではありません。
Q4 リハビリの担当者からも伝えてもらえますか
訪問リハビリや通所リハビリを使っている場合、担当者はケアマネジャーに報告する立場にあります。
気になることがあれば、その担当者に先に伝えておくのも一つの方法です。
まとめ
・「できる・できない」では伝わりません
・🔸 「◯◯があればできます」と条件をつける
・使っていた言い方は「見守りが必要」「この時間帯が危ない」「これはできる」
・リスクのほうから先に伝える
・本人は「できない」と言うことのほうが多い。両方を渡す
・⚠️ 大きくは変わらないこともあるが、記録として積み上がります
・⚠️ 転んだとき、介護する側が限界のときは、面談を待たずに連絡を
伝えるのが上手な人が、いい計画をもらえるわけではありません。
ただ、見ていることが正確に渡れば、判断の材料は増えます。
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